電子書籍レーベル

近年、インターネットの隆盛によって、
音楽の世界でも、アートの世界でも、

いわゆる職業的でないが(一般にはアマチュアと呼ばれる)、
プロ(一般に職業的である人)と呼ばれる人より、

技術・技能が優れている人が多く存在します。

プロとはなにか。

私たちは、プロとは、以下のように考えています。

日々のたゆまぬ自己練磨によって
さらなる高みを目指し続け、技術・技能が成熟していること。

専業か兼業かではなく、自身の生きざまと重ね合わせ、
職業としての誇りを持っていること。

私たちは、優れたプロの創作集団として、
このレーベルを立ち上げました。

自らの手で文化を創るという「独立性」と、
本物志向であるという「誇り」、

そして、本気の夢や志を旗にして生きるという
「生きざま」を体現するレーベルなのです。

電子書籍専門レーベルと、メジャーレーベル、それぞれが目指す事業戦略。

経営母体の大きなメジャーレーベルでは、
巨額な投資に見合う利益回収を前提に、

高額な広告宣伝費をかけて、
何十万部と売れるベストセラーを育てます。

メジャーレーベルが目指すのは、資本の最大化です。

そのため、一冊の本を売るために、
多くのプレイヤーが関わり、多額の投資によって、

数十万部以上の売り上げる、
巨大なマーケットを形成する必要があります。

一方、私たち、電子書籍専門レーベルが目指すのは、
作家の“ファンコミュニティを育成”することです。

多額の投資によって、多額の利益回収を前提とするのではなく、
作家自身が自ら作品を発表できる環境を提供し、

作家一人ひとりの創作を支持し、
時には、自ら他者へ推奨してくれるような
熱心なファン作りを目指すのが、当レーベルの事業戦略です。

“売れている”という評判で本を買うのではなく、
“この人の作品だから買う”という、

作家とファンとの間に強い「絆」を
丁寧に育てていくことが、私たちの役割です。

電子書籍専門レーベルでは、作家自身がタレントであり、営業マンになる必要がある。

デビューを果たしても、一朝一夕に本が売れる訳ではありません。
“職業として”作家活動を続けていくことは、とても困難な道のりです。

だからこそ、地道に作品を発表し続け、
“自分は何を伝えたいのか”、“なぜ自分は書き続けるのか”

といったメッセージや人物像を含めた自分の創作を、
熱心に支持してくれるファンを獲得していく必要があります。

インターネット以前の時代では、
作家自身が作品を広報する手段は限られていました。

しかし現在、blog、mixi、Facebook、twitter、youtube、ustreamなど、
個人が多くの人と繋がり、

「口コミ」や「評判」を獲得できる手段が増えました。

メジャーレーベルのように、何十万部の売上を目指す必要はないのです。

50万人のファンを獲得することは、一個人の力ではとても困難ですが、
多くのインディーズミュージシャン達が成し得ているように、

3000人のファンを自ら獲得していくのは困難ではあるが、
実現不可能ではない、ということです。

私たちは、作家が職業的であるためには、
自らファンを獲得する努力を行い、

そのプロセスを試行錯誤しながら
体験していくことが必要だと考えています。

それこそが、将来的にも、
作家が継続して自立的に活動できる唯一の方法だと思います。

電子書籍の可能性